「前の席に頭がいい子がいるの」
カピゴン、学校の支度をしながらポツリ
「で、斜め前にも頭がいい子がいるの」
カピゴン、あまり学校の事を話さない。ふむふむと身を乗り出して聞く。
「前の子は頭がいい」
勉強ができるとかじゃなく？
「頭がいい」
わかった。そういう子なんだね
「斜めの子は英語の分厚いの読んでる」
英語の原書？！そりゃすごい！
「で、3人でテスト競争してるの」
ああ、カラーテストか
「今日は前とカピゴンが100で斜めの子は99だった」
お、すごいね
「で、他の子になにしてんの？て言われたから、塾って答えた」
うん？それが？
「…カピゴン、塾で勉強できる？」
まて
まて
まて
ちょっと、待て
頭が一瞬、こんがらがる
塾で勉強できる？
なんだそりゃ？
カピゴン、少し元気ない
もう少し、話聞かせてもらおう
二人共、塾行ってない？
「何も言わなかった」
そう…
多分、前の子はカピゴンが頭が良いと認めるぐらいの子なのだろう。
おそらく地頭がいい
斜めの子は、英語の原書を読む子。そりゃ、カピゴンも素直にすごいと思うわな
帰国子女さんなのかもしれない。それで頭もいい
と、カピゴンが思っている
カピゴンが、思ってる…
カピゴンは？
「塾に行ってるから、テスト取れる」
問題はそこかな…
うーん…
母ちゃんもちょっと考えたいので、帰ってきてから話そうね。
ただね、母ちゃんはカピゴンが毎日言われなくても机に向かっていることを知っている
何があろうが、カピゴンの努力は、毎日こつこつしていることは、カピゴンを裏切らないし、カピゴンを守ると思うよ
母ちゃんよりもね
今は、ここまで
行ってらっしゃい
なるほどなぁ
さて。どう言おうか
